第12話・新たな出会い!?
蛮竜デセルを撃退するためにニセル山付近まで来た愛樂達。
「あ、足が痛くなってきましたわ……これは山頂まで身体が持たないかも」
「大丈夫か?少し休む?」
「いいえ、大丈夫ですわ。守、お気遣いありがとうございます」
「まも、私にくれたリンゴ余ってるなら愛樂にあげたら?」
「悪い、リンゴは月姫にあげたのが最後だったんだ」
「あっ……ごめんさっき食べちゃって」
「いや、いいんだ。気にするなよ」
最初は仲の悪そうだった2人も、今はまとまりがあるようで、愛樂はホッと安堵する。
その時、守が何かに気づいたように呟いた。
「あっ」
愛樂と月姫は驚いて彼を見た。
「あ、いや!何でもない……ちょっと転けそうになったもんだから、はは」
守は咄嗟に嘘をついた。
(あれは……この前の―)
「幼女!?」
声に出てしまった。しかも偶然にも幼女はこちらに気づいた。
「はっ……やべっ」
「何よー、まもって実は幼女が好きなタイプの男なの?」
「ち、ちがっ!……ってチビっ子もこっち見るな!あんたのことが嫌いってわけじゃないからな!?」
鋭い目で守を睨む幼女。双剣を構えている。
(き、切られる……!)
ジリジリとこちらに詰め寄って来る幼女。
「あの……今私修行中なので、出来れば話しかけないで貰いたかったんですけど。しかもチビっ子って……この間のお兄さんですよね?あっ、そういえば」
幼女は守に耳打ちする。
「想い人さんとはどうなったんですか?そこのポニテっぽいお嬢さんと付き合ったりしていらっしゃるんですか?」
(何でそっちなんだよ……2択で間違えられたのはショックすぎる!)
「っ、そんなことはどうでもいいだろう!?」
「そんなに照れなくても……まあ、折角ですし、皆さんここのボス倒しに来たんですよね?私もご一緒致しましょうか?」
「えっ、いいんですの?命の保証など出来ませんけど」
「何この子!超可愛い♪この月姫様が愛樂もあなたも守ってあげるからねっ?」
「え、ええ……可愛いは一言余計だと思いますけれど、それはどうも」
完璧にナメられている少女。
(俺的には凄く強そうに見えるが……うーん)
こうして幼女―いや、少女を加えたメンバーでニセル山へ向かう4人だった。