第2話・ソフィアで旅支度!
あれから歩き続けた愛樂は、ソフィアの街に到着した。街は人で賑わっている。
「わぁ……活気に満ち溢れていますのね」
近くには案山子が立っていて、多くの旅人がその前に集まっている。
(これほどまでに人が多い街は生まれて初めて見ましたわ!広そうですし、何から見ていけばいいのやら……)
そう思って立ち止まってしまう。
そこへ、
「ちわっす!お姉さんお一人?なぁなぁ、良かったら俺んち来ない?」
!?
思いもよらぬチャラ男の襲撃。←
当然お嬢様育ちの愛樂が相手にするはずも無い。
「いいえ。結構ですわ。私には、貴方ではなくても心に決めた人が……♡」
↑回想シーン
「ぶはっ、お姉さんマジウケる!気に入ったからこの『リバイタ』達タダプレするわw」
「ええっ!?あ、あら、こんなに貰っていいんですの……って、そもそもこれは何ですの?」
愛樂が受け取った物は、赤い色をした液体が入った大量のビンだった。
「よくぞ聞いてくれた!この『リバイタ』ってのは、モンスターに攻撃された時に1ビン分を一気に飲むと体力が回復するスグレモノなんだ!」
「あら、それはありがたいですわね。ちなみに、これは何味ですの?」
「んー、これ作った時はイチゴだったかな。俺が気分によって味を変えてんの」
きちんとした食材が使われているようで一安心の愛樂。
「そうですか。でも、これほどいただいてしまっては申し訳ありませんわ。何かお礼をしたいのですが」
「お礼?マジ?してくれんの?……うーん、そーだなぁ」
チャラ男は数秒考えた後、ニッと笑う。
「お姉さん、しばらく俺んちにイソーローしねぇ!?泊まる所無いって顔してるし」
「……はあああああっ!?」
突然の勧誘。確かに宿は確保していないから助かるのだが、これでは自分の方ばかりが得ではないだろうか……
「えっと、その……私ばかり得になってしまいますわ!確かに宿は取っていませんけれど。よろしいんですの?」
「うん、いーよ!お姉さんみたいな人がいればウチの宣伝にもなると思うし!」
???
頭が混乱してきた。宣伝……?
「あー、実は俺、工房やってんの。そこでこのリバイタ作りとかしてるんだわ」
このチャラ男が工房……!?解せぬ
「そうでしたの……売り物になる物かもしれませんでしたのに、ありがとうございます。私で宜しければ看板役、務めますわ!」
「へへっ、サンキュー!お姉さんの旅に必要な回復薬とかは俺が用意するから、そこは安心してな!?武器と防具はマーケットで買ったり、モンスターから材料集めて鍛冶屋で作ったりするしか無いからテキトーに頑張ってw」
「分かりましたわ!少しラカウ平野の方でモンスター狩りしてきますわね」
「オッケー、いってらー」
こうして愛樂は再びラカウ平野へ向かったのだった……